2024年9月の一戸町議会における一般質問の要点をまとめました。
町民の皆様から寄せられた声をもとに、以下のテーマについて質問を行いました。
目次
2024年9月一般質問
町内こども園の施設整備について
町内の3つのこども園において、幼児教育が適切になされ、日々尽力されている先生方のご努力に心から感謝申し上げます。おかげさまで子どもたちが伸び伸びと成長している姿は非常に喜ばしいものです。
しかし、建物と設備の老朽化が進んでいる現状は見過ごせません。安全面や快適性を確保するためには、 早急な改修や更新が求められます。町の宝であり、未来を担う 子どもたちが健やかに成長でき 環境を整えるため、 町として計画的な施設整備の検討をお願いしたいと考えます。
施敷整備の見通しと、今後のこども園運営についての方針や抱負について伺います。
町長答弁
ただ今の、山舘 章子 議員の御質問にお答えいたします。
はじめに、「町内こども園の施設整備について」にお答えします。
現在、公立の3つの保育施設は、いずれも建設から40 年以上経過して おり、建物や設備の老朽化が進んでいることは、議員御指摘のとおりであります。
施設の整備に関しては、これまでの議会でも申し上げておりますが、公立のみならず私立の保育機関とも検討を進める必要があると考えており、 昨年には「教育・保育施設のあり方等に関する懇談会」を開催しました。 今年に入り、長い歴史をもつ私立の保育所が閉所になりましたが、閉所の理由の一つは、少子化により入所者の減少が見込まれることでありました。
施設の更新にあっては、その財源、町の他事業との兼ね合い、立地の検討なども必要ですが、将来的に入園する子どもの数の見込みが重要であると考えておりますので、議員御発言のように計画的に検討したいと考えております。
なお、安全面に関してですが、毎年、業者による遊具を含めた安全点検を実施し、指摘事項があれば直ちに改善を行っているところでありますし、 定例の報告によりヒヤリ・ハット事案を含めた運営報告書、並びに毎月の施設長会議の開催などにより現状を把握できているものと認識しておりま す。
加えて、委託先である一戸町社会福祉協議会との協議による保育職員の確保や、昨年度から教育委員会が所管して実施している岩手県のモデル指定研究事業「架け橋期のカリキュラム開発推進モデル指定研究事業」を通じた保育の研究、幼児教育専門員による訪問支援などを通じて、より質の高い保育を提供できるよう努めているところです。
令和8年度からは、「こども誰でも通園制度」が開始される見込みとなっているなど、保育ニーズは今後も変容していくものと感じますが、今後とも町の宝である子どもたちが健やかに成長できるよう、保健分野も含めサポートする体制を強化してまいりたいと考えております。
御所野縄文遺跡の現況について
御所野縄文遺跡が今年度から町の直営となり、早くも6ヶ月が経過 しようとしております。この期間中、どのような成果が得られたのか、 また、町として直面している課題がありましたらお伺いします。
さらに、 御所野遺跡の魅力を最大限に引き出し、町の誇りとして盛り上げていくための方向性を期待しているところですが、今後の運営方針や抱負に加え、世界文化遺産としての価値をさらに高めるために、町民がどのような協力を行うべきか、町長及び教育長のお考えをお聞かせください。
町長答弁
「御所野縄文遺跡の現況について」にお答えします。
御所野縄文公園を町直営に戻す決定をしたのは、世界遺産である御所野遺跡について、遺跡保全と学術研究のバランスを保ちながら、交流人口の拡大や観光消費による地域経済の活性化を推進することが重要と考え、そのための方針や施策を直接かつ迅速に施設の運営へ反映させていくため、 世界遺産課を御所野縄文博物館内に配置する町直営の体制にすることが最も効果的と判断したことによるものです。
そして、成果として、ミュージアムショップでは売れ筋や地元商品を積極的に導入するとともに、駐車場を開放して販売機会を提供したことから、 町内外の事業者による施設利用が拡大したほか、長年、利用者からの要望が高かった飲食サービスの提供を行うカフェの整備を今年度後半に取り組む予定としており、これまでにない弾力的かつ積極的な運営を行っているところです。また、今回のカフェ整備は、直営化によって役場内の連携がスムーズになったことにより、迅速な意思決定のもと早期の事業化が可能となったものであります。
なお、今後の運営方針や抱負、課題等の御質問もございますが、これについては施設運営を担う教育長より回答いたします。
以上で、答弁を終わります。
教育長答弁
山舘 章子 議員御質問の「御所野縄文遺跡の現況について」にお答えいたします。
御所野縄文公園の今後の運営方針については、町民や関係事業者からもその決定に参画していただくため御所野縄文公園運営協議会を設置し、6月12 日に第1回目の会議を開催しました。その会議での多くの声として は、行政だけではなく町民との協働で守っていく必要があり、可能な限り多くの方に関わっていただくべき、そして何より公園に来ていただく機会を多くつくるべきではないか、という意見がありました。
世界遺産の名に依存せず、これを守り育てる町民の活動までもが世界遺産の評価となるべきではないか、との理解ですので、このことを念頭に置き運営に努める必要があるものと考えております。
しかし同時に、喫緊の課題となっているのが、御所野遺跡に係わるボランティアの育成であります。これまで御所野遺跡に関わっていただいた3つの団体が、会員の高齢化を理由に残念ながら3月31日をもって解散をいたしましたが、引き続き活動を希望する会員の方々を中心に、新たな団体「いちのへ縄文里山クラブ」が設立されました。今後、会員確保と活動支援を強力に推し進めていく必要ありますので、議員各位からも大きな御支援を賜りたく、お願いいたします。
最後に、町民がどのような協力を行うべきかという点について、教育委員会では町内小中学校において「いちのへ御所野縄文学」を実施し、児童生徒が御所野遺跡の価値を学ぶ機会を設けております。一般の町民の皆様におかれましても、自分たちの住む町に世界遺産があることを心に留め置くとともに、講演会等の文化活動やボランティア活動への参加のほか、自然を楽しみながら散策をするなど、普段の生活の中でも御所野遺跡に関わっていただきたいと考えております。
以上で、答弁を終わります。
まとめ
2024年9月の一般質問では、町民の声をもとに、こども園の施設整備と世界文化遺産である御所野遺跡の現況に焦点を当てて取り上げました。行政の現状と課題を明らかにし、改善の糸口を探る大切な機会となりました。今後も町民皆様の声を町に届ける議会活動を続けていきます。
※以下は議会だよりに掲載された記事です。