【発達障がい】困った子ではなく、困っている子。

今日は、岩手県医師会館(盛岡)にて、発達障がいの研修会がありました。

岩手県内から、医師、学校の先生方、福祉関係者、約400人

が集まりました。

最近、発達障がいに対する理解が求められるようになり、発達障がいの研修会が

各地で開かれ、TVでも発達障がいを特集する番組が多く組まれるようになりました。

発達障がいという特性は、大人にも子どもにも見られますが、

今回は特に学齢期の発達障がいのお子さんで、学校生活や休日の部活動等で

トラブルを招いているケースについて取り上げたいと思います。

目次

発達障がいの種類

発達障がいにも色々ありますが、以下の3つ(ASD、ADHD、LD)が主なもので、

3つのうちのいくつかを合わせ持つお子さんもいます。

発達障がいの子どもの特性

・落ち着きがない

・集中力が持続しない

・人とのコニュニケーションが苦手

・人の心を読むのが苦手(空気を読めない)

・感覚過敏がある(大きな音が苦手、食べ物の好き嫌いが多い、化学物質臭に過敏等)

・見通しを持てないと極度に不安になる

・時間を逆算して準備できず遅刻が多い

・忘れ物が多い

・こだわりが強い

などなど、様々な特性があります。

発達障がいの子どもの困った行動

・友達とのトラブル

(他の子への暴力、暴言。ストレートな物言いをして喧嘩になる、逆に無視されるなど。)

・変化に弱い

(課外活動等、いつもと違う動きは苦手)

・不適応行動

(パニックを起こして暴れる。自傷するなど)

・物へのこだわり

(持つと安心できるものを持っていたいなど。時には刃物など危険なものを持ちたがるお子さんもいます。)

本当は本人が困っている

困った行動は、衝動的なもの、特性によるこだわりなど色々ありますが、

必ず、理由があります。

例えばパニックを起こすお子さんの場合、

「大勢のクラスにいると、たくさんの音が聞こえてきて落ち着かない。」とか

「野菜の舌触りが嫌いなのに、先生に残さず食べるよう言われた。」とか

「制服の肌触りが嫌だから着たくない。ジャージを着ていたい。」とか

「行事で見通しが持てなくて不安。」とか

一見すると単なるワガママに思えてしまいますが、

発達障がいの特性で本人が困っていることが原因です。

対処方法

・理由を聞いてあげる

・共感してあげる

・怒らない

・次の行動を示す

特性を理解して適切な配慮(合理的配慮)をすれば

落ち着いて過ごすことができるようになってきます。

集団の中にいて落ち着かないときは

タイムアウトといって、個室で静かに過ごすなど配慮が必要です。

でも、だからと言って、ずっと個室にいたいわけではなく

皆と触れ合いたい、皆と一緒にいたいという気持ち

がある方も多く、寂しがりやさんが多いと感じます。

なので、その日の心身の状態によって違ってきますが

体調を聴きながら必要な配慮をしてあげると、

本人も、周りの人たちも快適に過ごすことができます。

見通しが持てなくて不安そうな時は、紙に、日程や、

やることを書いてあげると落ち着いたりもします。

(口頭での指示は通らないけれど、

紙に書くと指示が通るという視覚優位の方が多いです。)

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発達障がいの子ども達の不幸

成長の過程で、学校の先生や、周りの友達に理解してもらえないと

協調性のない「困った子」とレッテルを貼られたり

仲間外れにされたり、

もともとあるハンディーキャップに加えて、

自己肯定感(自己評価)が異常に低くなるという

二次的な障がいを持ってしまいます。

実の親でも理解できないことも多く

「なんで皆と同じようにできないんだ」と怒られてしまう。

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発達障がいの方達は、今までの成長の過程で、「ちょっと変わった人」とか、

「話が通じない人」とレッテルを貼られ、傷ついてきている方が多いので

人と関わるのが怖いと感じている方も多いです。

できないことよりできることに目を向けて

大事なのは他人と比べないことです。

私も日頃、発達障がいの方達と触れ合う機会が多いですが

とても器用で細かい作業が得意な方や、私よりもパソコンが長けていて

才能溢れる方がたくさんいます。

こだわりが強い反面、ルーティーンをやり続けることができる。

などなど、必ず、どの方にも良いところがあります。

器用に立ち振る舞ったり、人と上手くコニュニケーションをとることは難しいですが、

私の周囲にいる発達障がいの方達は、皆さん、純粋で誠実で嘘をつけない良い方達です。

「大変なこともあるけれど、こんな良いところがあるんだから大丈夫。

長所を伸ばしていこう」と声をかけてあげてください。

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信頼関係の構築

自分に自信がないお子さんが多いので

一人一人の良いところを見つけて自信をつけていったり

本人が心を許す人から始めて、

少しずつ人との信頼関係を築いていく必要があります。

「この人の言うことなら聞くことができる」という支援のキーパーソンを

作ることは、本人の安心のためにとても有効です。

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まとめ

発達障がいの方達は「困った人」ではなく

「困っている人」なのです。

社会でうまくやっていきたいけど、適切なサポートや配慮がないと、

うまくやっていけないから「困っている」のです。

発達障がいは、「親の躾が悪いから子供に問題がある」など、

間違った理解をされることもあり、親も傷ついている方も多いです。

特性を理解して適切な配慮(合理的配慮)をすれば

少しずつ落ち着いて過ごすことができるようになってきます。

できるだけ多くの周りの人が、発達障がいの特性や関わり方について理解して、

発達障がいの方の「困っている」状態を手助けし、

ハンディーキャップがあっても過ごしやすい社会になれば良いな〜と思います。

私が参加した研修会では、一戸町の個人病院長のF先生の姿も見えてました。

医療、学校(保育所)、福祉、家庭、地域と連携しながら

今後も理解を深め、違いや多様性を認めあえる社会になればいいな〜と強く願っています。?

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